
庭を芝生にしたいものの「メンテナンスが難しそう」といった理由で購入を踏みとどまっている人は少なくないでしょう。そこで今回は、個人宅で美しい芝を保つために芝刈りが必要な理由や芝刈りを行う頻度や時期に加え、刈り高の選び方なども詳しく解説します。庭を芝にしたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
美しい芝生を維持するために芝刈りは必須
庭を芝生にする場合、美しさをキープするためには定期的な芝刈りによるメンテンナンスが必須です。芝刈りは伸びた芝の長さをカットするための作業であると思われがちですが、実際にはさまざまな効果・目的があります。ここでは、芝刈りを行うことで得られる効果について詳しく解説します。
芝刈りにより芝生の密度が高まる
芝は、毛足が短いと光合成が活発化する性質を持つのが特徴です。芝刈りによって毛足を短く刈られると、芝の持つ生命力によって茎を伸ばす・葉や芽の数を増やすことで光合成しようとするためです。定期的な芝刈りによって芝が芽や葉の数を増やすことで、絨毯のような密度の高い美しい芝が完成します。
芝生の健康を維持できる
芝が長く伸びたままの状態で放置すると、風が通らなくなることから湿気が溜まって病気の原因となり得ます。芝の病気として挙げられるのは、葉枯病・さび病などです。芝の長さを整えることで風通りがよくなり、健康で美しい芝を保つことが可能です。さらに、伸びたままの芝生は害虫を発生させる原因にもなるため注意しましょう。
芝刈りの最適な時期と頻度
芝刈りの頻度や時期は芝の種類によっても異なりますが、基本的には4〜11月に行うため12〜3月は芝刈りの必要がありません。ここでは、芝刈りを行う最適な時期とそれぞれの軸の芝刈りに適した頻度について詳しく解説します。
季節ごとの芝刈り頻度の目安
芝刈りの頻度は、春・秋は2〜3週間に1回、夏は週1回のペースがおすすめです。とくに気温が高くなる夏場は芝の成長も旺盛になるため、毎週芝刈りを行わなければ美しい見た目を保つのが難しくなります。
春の芝刈りを行うタイミングとは
先述の通り、12〜3月は芝刈りが必要ありません。春の芝刈りをスタートさせる目安として、理想の長さの3割り増し程度の毛足まで伸びたら芝刈りを開始することを頭に入れておきましょう。
また、芝の際部分は他の場所よりも毛足が伸びやすいため、シーズン始めに芝刈りを実施するときは際の部分だけを早めに刈っておくとよいでしょう。際部分が伸びた状態を放置して全体の芝刈りを開始すると、際部分だけが軸刈りになってしまう可能性もあるため注意してください。
庭をきれいに保つには芝生の刈り高が決め手!
芝刈りを行う際は、刈り高を意識することも重要です。ここでは、個人宅での芝管理に適した刈り高の決め方について詳しく解説します。
美しさと芝の健康を保つには30〜35ミリがおすすめ
個人宅の庭で美しい芝生をキープしたい場合には、30〜35ミリの刈り高がおすすめです。30〜35ミリは人工芝でも人気の刈り高であり、芝生ならではの美しい景観を楽しめます。さらに、30〜35ミリであれば夏場の芝刈りも週1回程度で問題なく、メンテナンスの手間が大きくなるという心配もありません。
また、刈り高が低すぎると芝の生存機能が弱くなるなります。こうなると光合成の効率が低下したり、天候の影響を受けやすくなったりします。そのため、芝の健康と美しい見た目を両立させることを重視したい人は、刈り高を30〜35ミリに設定するのがおすすめです。
スポーツ施設では30ミリ以下が基本
ゴルフ場・サッカー場などの芝生は30ミリ以下が基本であり、芝生特有の美しさよりも芝生の機能面を活かすための長さとなっています。しかし、芝の毛足が短いとメンテナンスの頻度も高くなるため、週2〜3回程度の芝刈りが必須です。
芝生のメンテナンスに慣れており頻回な芝刈りが苦にならない人で、自宅の庭でパターなどを楽しみたい人は、30ミリ以下の芝生にチャレンジしてみるのもよいでしょう。
お手入れの手間を省きたい人は35ミリ以上も
芝生の刈り高を35ミリ以上にすると、芝刈りの頻度を減らしても状態を維持しやすいのがメリットです。ただし、一般的に見た目が好まれるのは30〜35ミリ程度の芝生であるため、景観が気になる人には不向きです。
毛足の長さが気にならない・お手入れの手間を少しでも減らしたいという人は、35ミリ以上の眺めの毛足に設定するのもよいでしょう。
まとめ
今回は、庭をきれいに保つためのお手入れについて、理想とされる芝刈りの時期・頻度を詳しく解説しました。密度の高い美しい芝生をキープするためには、定期的な芝刈りによって光合成を活発化させ、芽や葉の数を増やすことが重要です。芝の種類によって芝刈りが必要な時期や回数は異なるものの、基本的には春・秋は2〜3週間に1回、夏は週1回のペースを維持することで芝生の美しさをキープできます。また、個人宅でおすすめの芝生の刈り高は30〜35ミリ程度です。刈り高が低すぎると芝の健康を損なう原因に、刈り高が高すぎると景観を損なう原因になり得ます。芝の健康と美しさのバランスを取るためには、刈り高は30〜35ミリに設定するのがよいでしょう。本記事が、庭に芝生を導入したい家庭や、芝生の手入れについて知りたい人にとって参考になれば幸いです。