
青々としていた芝生も、冬は枯れたように茶色になって休眠期に入ります。春から秋にかけて芝生の手入れをしていた場合、冬の手入れが必要なのかどうか気になる人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、冬の作業のポイントについて解説します。芝の種類によって異なるため、本記事の内容をぜひ確認してみてください。
冬の芝刈りは基本的に不要?
冬になるとさまざまな植物が枯れ、冬の寒さに強い植物が目立つ季節になります。では芝刈りは冬に必要なのでしょうか。以下に詳しく解説します。
暖地型芝は手入れ不要
暖地型芝は日本芝とも呼ばれ、冬には茶色く枯れていきます。高温多湿の日本の気候に耐えられるため、本州や九州で多く使われています。暖地型芝は気温が低くなると休眠期を迎えるため、メンテナンスは基本的に必要ありません。
しかし、冬になると茶色く枯れるため、緑色の雑草が生えてくると目立ちます。美しい景観を保ちたいのであれば、草むしりを行うのがおすすめです。
寒冷型芝は冬も枯れない
寒冷型芝は涼しい気候に適しており、西洋芝とも呼ばれます。暑さに弱いため、北海道などの寒い地域で主に使われてきました。冬になっても枯れることはなく緑のままですが、寒冷地型芝も12月になると休眠期に入ります。芝刈りを行うのは、10月や11月くらいまででかまいません。
冬のお手入れはNG?芝生を傷めないための注意点
冬も庭の手入れをこまめにしたいと思う人もいるでしょう。しかし、冬の芝生はむしろ手入れを控え、傷めないようにする必要があります。どのような注意点があるのか、以下に詳しく紹介します。
凍った地面を踏まないよう注意
芝生の土が凍結している、霜柱が立っているなどといった時は、なるべく足を踏み入れないようにしましょう。地中の根が傷み、春の芽吹きに悪い影響が出る可能性があります。寒くなったら、子どもやペットが芝生の上を走り回らないように気を配りましょう。
休眠中のため何もしなくてよい
こまめに世話をするのが好きという人もいるでしょうが、休眠中の芝生にとっては、何もしないことが最大の世話といえます。何もしないことで、冬の寒さ、雪、霜などから根を守ることにつながるのです。
休眠中は水や肥料を吸い上げないため、寒い中水わざわざまいたり、肥料をやったりすることも不要です。冬に必要なメンテナンスは、掃除や草むしりくらいでしょう。
冬のガーデニングを楽しむ
こまめな芝生の手入れが必要ないとなると、冬の庭の楽しみがないと感じる人もいるでしょう。そういった人は、寒さに強い花のガーデニングを楽しみましょう。鮮やかな色や華やかなフリルを楽しめるパンジーやビオラは、冬の花の代表格といえます。
そのほかにも、シクラメンは秋のおわりから春まで花が咲くのを楽しめます。さらに、椿や梅などの木を植えてみるのもおすすめです。外に出るのが寒いという人は、サボテンなど室内で育つ観葉植物を楽しむのもよいでしょう。
春に備えた準備が大切!2月下旬から始める更新作業
真冬は芝生の手入れはとくに必要ありませんが、春が近づいてくる2月ごろには更新作業をはじめるとよいでしょう。以下に、どのようなことを行えばよいのか解説します。
低刈り
2月下旬ごろの、根が活動をはじめる時期に低刈りを行うのがよいでしょう。低刈りとは、低く芝刈りをすることです。刈高を低く設定することで、サッチになる部分を除去できます。低刈りを行うことで、新しく芽吹く目の日当たりや通気性をよくする効果も期待できます。
サッチング
冬に枯れた芝生は、堆積してサッチ層になります。これをそのままにすると、通気性が悪くなったり病害虫の発生の原因となったりするため、更新の際に作業しましょう。サッチングの方法としては、熊手でたまった部分をかき出します。
しかし、サッチングはやりすぎると芝生を傷めてしまうので気をつけましょう。広範囲の作業が必要な場合には、掃除機をかけるように使えるサッチングマシンを使うのがおすすめです。
また、微生物の力を借りて分解するサッチング材をまく方法や、芝生を焼くという方法もあります。なお、芝生を張ってからすぐや数年間はやる必要はありません。ある程度のサッチは乾燥、暑さなどから芝を守ってくれます。状況に応じて、やりやすい方法を考えましょう。
エアレーション
エアレーションとは、芝生の地表に穴を開ける作業のことを指します。穴を開けることで、踏まれて固くなってしまった地面の通気性や排水性がよくなり、春には青々とした芝生が生えてくるでしょう。
目土入れ
目土は、芝に土をかぶせます。目土入れをしておけば新芽、茎などが直接踏まれないため、芝を守る効果があります。やりすぎると光合成できなくなるため、土の量に注意しましょう。
成長によい成分を含んだ土、水はけがよい土、土壌の性質を変えてくれる資材などさまざまな種類の土があります。庭や土の状態によって、適切なものを選びましょう。
施肥
2月後半、3月などに春が近づくタイミングになったら肥料をまきましょう。施肥をすることで、春の芝生の発芽がよくなります。
まとめ
芝生の手入れが楽しみという人もいれば、負担という人もいるでしょう。冬は休眠期に入るため、少し休憩できる時期です。しかし、冬に強い雑草が生えてくるため、草むしりは必要です。草むしりが大変な場合は、除草剤を使うのがよいでしょう。また、冬も庭いじりを楽しみたい人は、寒さに強い花を育てるのがおすすめです。春が近づく2月、3月には、更新作業を行うことで、青々とした芝生が生えてきます。もし作業が負担となっている場合は、機械を導入する、業者に頼むなどある程度負担を減らしながら芝生のメンテナンスを楽しめるようにするのがおすすめです。ポイントを押さえて、準備を行いましょう。